【農業は「やる気」けど経営は・・・】
「農作業をやってみたい」「農家で働いてみたい」「農業をやりたい」・・・などなどの希望を(ひそかに)お持ちの方は意外に多いのではないかと思います。
私も農作業のアルバイトについて数か所で話を伺った際「まったくの未経験でもできますか?」との質問にはおしなべて「やる気があれば」との回答をいただきました。続く言葉は「あとは体が資本だし体力仕事ですからね、まあ合う、合わないもあると思いますけど」でした。
これはアルバイトの応募のみならず、プロの農家を目指す場合でも同じであるようです。
今回、この仕事をしている中で農家の実情がちらっ、ちらっと耳に入ることがありました。ひとことでいえば専業兼業とも農家は大変、ということです。農機具等の経費がかなりかかることや作物の価格がその時々によって大きく上下すること、もちろん天候や自然災害の問題があること、などなど。
作物の価格がそれほど上下に振れるとは知りませんでした。レタスが儲かり、かなり大きなお屋敷を立てて3年で完済できた(「レタス御殿」と呼ばれた!)という話もあれば、作っても納品する際の「段ボール箱代」にもならないこともあるそうです。私などはまったくの素人ですが、人間が生きていくのに不可欠な「食べ物」を作る産業なのにこんな「投機かっ!?」と感じてしまうようなあり方は、農家の責任ではなくて世の中の仕組みが間違っているのではないかと思います。例によって私自身が今のところ何もできないので声を大にして言えませんがパートⅠでも述べたように早く自分自身の生活を軌道に乗せ、他の方の役に立てそうな活動ができればいいな、と思います。
【労を惜しまない人々】
レタス畑で働く同僚たちをみると男女問わず「労を惜しまない」方がほとんどであると感じます。大変美人な御年68歳という女性の先輩は「朝5時に起きて家族の弁当、お茶の支度をして持たせ、家の掃除、草取りなどの家事を済ませた上で出勤し、帰宅したら夕食の支度、7時に家族が集合して夕食、11時から姑をお風呂に入れる。その合間をぬって近所のご老人たちのお世話をするボランティアをし、ひまをみて釣りをする」など私からすると「!!!」な働き者です。しかも自分で釣った魚をきれいにさばいてフライにし、私たちに差し入れてくれたりします。さらに朝からぬかりなくお化粧きっちり、です。す、すごい。
この方だけでなく他のみなさんも似た感じの働き者です。
もちろん人にもよりますが、ホワイトカラーの人々の価値観には「公私を分けていかに要領よく自分の時間を確保するかが大切」という面があったような気がし、ずいぶん違う世界なんだなと感じました。
こういう労を惜しまない人々の中にいると私自身がとてつもなく「怠け者」に感じられますが、一方で「体を使うことを惜しまない」生活をしている人々とともにいるのは思いがけずスッキリとした気分になるものでした。
今回の仕事を通して、また新しい経験をさせてもらい、私の心身も活性化したものと思われます。
よかったー!!
(記:2015年1月19日)