梅の実がまた膨らんで、きれいなピンク色になってきました。また、柿の新芽も伸びはじめました。
ホッホッホーケキョケキョ! と うぐいす 努力中 (あわみなこ作)
・・・という状態だった、うぐいす君たちも見事に「ホーホケキョッ!」と鳴きまくり、和田町は春の盛りに向かって日々風が温んでいます。
さて叔父から差し入れられた「イノシシ」の肉です(前回記事ご参照ください)。
差し出されたときはビニール袋に入っていたため、「毛皮付きかっ!?」と一瞬びびりましたが、きちんと処理された上、丁寧にスライスしてありました。
解凍したら、こんな感じになりました↓おそらく800gくらいか、もしかしたら1kg近くあったのかもしれません。
食べ方については、何人かの方に聞いてみたところ「焼いて食べるのがいちばん。脂身が美味いから」との声が多かったので、焼いていただきました。1日目は「にんにく酢醤油」でいただき、食べきれなかったお肉は塩コショウを振って翌日ポン酢とサンチュを合わせていただきました。
お肉は滋味と野趣にあふれており、明らかに普段いただいている畜産の肉とは異なる味がしました。「今、私は肉をいただいているのだあっ」という特別な気持ちがしました。
今回は、食べられる状態になったお肉をいただいたわけですが、狩猟によって得た肉を食べられる状態にするには手間と技術が必要です。
アメリカのテレビドラマ「LOST」では飛行機が墜落したためにある島に漂着した人々が、狩りでイノシシを獲っていましたが「誰か肉の処理ができる人がいたのかしら」と思ったものです。また「荒野へ」(ジョン クラカワー著 原題:Into the Wild)という小説、映画では単身、アラスカの荒野に渡った主人公が、シカか何かを狩ることに成功したものの、解体したり処理したりする方法を知らなかったために、あっという間にハエがたかって傷んでしまい「無駄な殺生をしてしまった」(いえ、こういう表現ではありませんでしたが)と激しく後悔するシーンがありました。
・・・と、ドラマや映画や本でそのようなシーンと出くわすといつも、獣肉にしろ畜産の肉にしろ、自分ではまったく処理できないことが気にかかります。
今、房総半島南部ではイノシシが増えたために駆除の必要性が叫ばれています。
解決策としてはやはりただ駆除してしまうのではなく、ありがたくそのお肉をいただくのが一番よいように思います。ある種のお祭りというかイベントとして、捕えたイノシシを解体できる方の仕事をその場で拝見し、感謝の祈りとともに食させていただければ本当にありがたいと思います。そうした機会をいただくことによって「まったくの無知」から「一応、何回か見て、知識はある」というレベルになり、肉食をする時にその有難味がいっそう身に染みるようになるのではないかと思います。
(記:2016年3月29日)